鈴木ツタ「3軒隣の遠い人」近くて遠い

3軒隣の遠い人 (キャラコミックス)

3軒隣の遠い人 (キャラコミックス)

ざわ…と思って久しぶりに初見で表紙買い、鈴木ツタ「3軒隣の遠い人」。BL。中身もすごく…fkmtです…。
苦い別れ方をした年上のご近所さんと偶然再会、というのはこれはつこいの死霊 (マーブルコミックス)と似ているな。そして再会したら、この人はこういう人だったか、と自分の記憶に問い直すのも。「10年触り続けた傷はぐずぐずで 深い傷だったことを思い知らされる」と独白してて、折に触れて思い出すほどの痛手はよけい治りにくいのだよな、と読んでて思う。
中3、好きと苛立ちの未分化具合がいかにも青春で、

10年後の再会後の気まずさ、その青春の「1ページ開きっぱなし」のまま、傷も開いたままなのな。

結末はちょっと急展開であれーと思ったけども、ハッピーエンドでよかった。絵も超よかった。
もうひとつの収録作は作家と旅館の長男次男の話(こっちはfkmtしてない)。この作家が宿を取った部屋が、窓開けたらすぐ1mくらい下に海で絶景という設定なんだけど、いくら凪いだ湾だとしてもないよね?潮の満ち干も考えても。危ないよう。でも海はいい、夜の海で始まった出会いが昼の光る海で終わるのがよかった。
今日のメガネ:転勤先の上司、主人公に「青春の1ページ開きっぱなし」という名言をつけた人