宮下裕樹「正義警官モンジュ」1、無機物のけなげさ

正義警官モンジュ 1 (サンデーGXコミックス)

正義警官モンジュ 1 (サンデーGXコミックス)

わあーもう8巻まで出てるのか「正義警官モンジュ」1巻。

私、警視庁のエリートだったにもかかわらず、ド田舎の派出所に左遷されてしまったロボット警察官のモンジュです。製作者である柳博士の残した「絶対正義の執行」という、暴走の危険のあるプログラムに翻弄されつつも、山岸巡査や神谷さんをはじめとする町の人々に囲まれて、いい感じに暮らしています。

モンジュは「対犯罪用汎用兵器ロボット」。R2D2、アトム、ドラえもん、等々、無機物が感情持つっていうのは、ずっと人間の憧れだよなあ。一方では人間が「創造」という神の役割を担った罰として人間に牙を剥き、一方では情愛を交わすことのできるバディになるっていう。
最近読んだこれ俺、リフレはしゃべれない冷蔵庫リフレ君だったので、歯がゆい思いが人間に伝わらなくって切なさ倍増。伝わらないから体張るんだけど、その張り方がモンジュと同じだった。

オーバーヒートさせてあっためるというやり方。モンジュはリフレ君と違ってコミュニケートできるからいいな、そうやって、人間の機微に触れて、もっと人間の感情に近づいていってほしいな。それは慕われるということと正比例だろーな。一話一話で完結型なんだけど、1巻だけ読んでも心にぐっとくる話だった、続刊また読もう。

絵は初めから上手、初登場シーンからして全員完成してる。



山岸巡査は普段はへらへらしてるスケベ警官なのだが、肝心なとこでは暴走するあまり人を傷つけそうになるモンジュのブレーキ役になるのが泣かせる。神谷さんはモンジュの過去を知ってるようだ、ひと波乱ありそうで気になる。モンジュの造形は不思議だな、ガッチリ体系で頭は兎みたいだし、動力が原子力だけに名前がもんじゅなのかもしれないし。